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先輩事業者紹介

木村誠さん

株式会社 TKF 代表取締役
茨城県農業経営士
木村きむらまこと

[経営概要]

株式会社TKFはつくば市、大分県、岩手県に農場をもち、畑63haにベビーリーフ、ホウレンソウ、ハーブなど施設・露地野菜を作付し、ベビーリーフなどは有機栽培で生産。販売は全量契約、全農茨城VFステーションを通して関東圏内や近県のスーパーに出荷したり、外食産業に直接販売している。現在、従業員は正社員57人、パート・アルバイト約90人、正社員は全て農外から参入してきた若者たち。資本金994万円、年間販売額8億3000万円(平成28年2月現在)。

木村さんは33歳の時、つくば市に就農しました。初めは一人で就農しようと思っていましたが、妻が「一人でできるわけがない」と言って、一緒に就農してくれました。
就農の動機は、友人の実家で経営していた農業資材会社に就職して、畑で農作物を作って充実感を感じたから、そして、成功している農家を見て単純に農業で食べていけたら面白いと思ったからです。もともと、実家が自営業で、小さいころから自分で事業をやりたいと思っていました。だから大学の専攻も経営学を選びましたが、その頃はまだ農業という選択肢はありませんでした。

就農に至るまでで、まず大変だったのは農地の確保でした。農地38aに施設を立てて経営を開始しようと思っていました。畑20aは、前職の会社が保有していたつくば市内の実験圃場を借入できましたが、残り18aはなかなか見つかりませんでした。結局、知人の親戚が貸してくれました。農地は自宅のマンションから車で30分くらいのところにあったため、通勤農業で始めることにしました。
施設・機械の導入には、無利子の資金を借りました。ハウス16aやトラクター、1年目の肥料を購入するのに、1,280万円を借入。2年据え置きで就農3年目から返済が開始となりましたが、資金繰りはかなり苦しかったようです。
販売は初めから契約販売と決めていました。前職の会社でつながりのあった流通業者に、農家15軒でベビーリーフを契約出荷することとなりました。
栽培技術や経営を学ぶための研修は、前職で農作物の栽培を経験していたので、特に行いませんでした。しかし、ベビーリーフを一緒に始めた近隣の農家が師匠となって、栽培技術をはじめ、農業のあらゆることを教えてくれました。

平成10年、ベビーリーフ38a(うち施設16a)を作付けし、有機栽培で農業経営を開始しました。当初から契約販売だったので、毎月およそ100万円の売上を確保することが出来ましたが、赤字経営ではなかったものの経費がかさみ、生活にあてる収入は前職から比べればかなり下がったようです。

就農3年目に規模を拡大するため、地域のコミュニティ新聞に求人募集を出して、正社員1名を雇用しました。結局、彼は1年で独立しましたが、これをきっかけに4年目からホウレンソウなどを導入し販売先も開拓して、規模の拡大を図りました。またこのころから、ベビーリーフだけでなく、いずれホウレンソウ、ニンジンも基幹品目にして、経営の展開を図ろうと考えました。なぜこの品目だったか?有機栽培で差別化でき、たくさんの消費があり、機械化できる品目を検討した結果がこれだったそうです。
作付品目は、販売先から依頼されれば何でも作りました。その時は失敗しても、後になってブームが到来する品目もあるからです。基幹品目にはならなくとも、その時その時の戦略品目となって、経営を支えてくれることを期待して。
就農8年目ころから、 農協や農家から耕作できなくなったハウスを借入れたり、同じ経営展開を考える県内外の農業法人や農家と経営を統合し、規模拡大を加速させました。また、同じ頃に経営を法人化し、経営基盤の強化も図りました。しかし、規模がどんなに大きくなろうとも、本業である農業生産に特化しようとする姿勢、そして自社生産にこだわる気持ちは、常に心の中にありました。

そして今、様々なニーズに応え、会社として意味のある、長く農業界に残ることのできる会社を目指しています。また、「農業者育成」という経営理念のもと、独立就農、雇用就農の両面から、農業生産で成り立つ農業者の育成をこれからも進めていきたい、と力強く話してくださいました。

[就農希望者にひとこと]

農業は「根性」がないとやれない。今はあまり使わなくなった「根性」という言葉を胸に、「覚悟」をもって就農してほしい。

木村誠さん

プロフィール:

昭和41年 東京都生まれ。早稲田大学理工学部工業経営学科卒業後、つくば市内の農業資材会社に就職。営業で農家を回る一方、社内の実験圃場で野菜の栽培も行う。平成7年、地元の普及センターなど関係機関や前職の会社の支援を受け、つくば市にて就農。就農10年目の平成16年、販売部門のみ法人化、その2年後、生産から販売まで統合して、株式会社TKFを設立、代表取締役となる。平成20年、茨城県農業経営士に認定。

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